【小樽市銭函】海鮮が豪快にごろっと!一度は食べたい、週2日15食限定の「海賊ラーメン」とは
JR函館本線「銭函駅」近くに、雰囲気がいい居酒屋があります。店の名は「海賊船」。暖簾をくぐると、剣を持った海賊ではなく、温和なご夫婦が迎えてくれます。ランチで提供している『海賊ラーメン』は、遠方からも食べに来る人がいるほどの人気メニューです。お店の歴史とおいしさに迫りました。
「海の近くに店を持ちたい」と銭函駅前にオープン
店主の水野富士夫さんは、小樽生まれの小樽育ち。遊び仲間に飲食店関係者が多く、気がついたら料理の世界に飛び込んでいたといいます。
小樽市内のホルモン屋で10年働いたのちに独立。46年前に小樽市・桂岡エリアに居酒屋「十万壺」と下宿を開業しました。
「当時の桂岡は新興住宅地で、北海道薬科大学(2015年に小樽市から札幌市手稲区に移転、2018年に北海道科学大学に統合)があり、商売をするのに最適な場所でした。しかし“海の近くに店を開きたい”という想いが強く、27年前に銭函駅前に移転して『海賊船』として再スタートしました」と水野さん。
海の恵みを凝縮した名物「海賊ラーメン」
名物の『海賊ラーメン』は、「十万壺」時代から提供している人気メニューです。知り合いの漁師からいただいた海鮮をラーメンに取り入れることを思いつき、試行錯誤の末に昆布と2種類の塩をブレンドしたスープを完成させた、水野さん自慢の一杯。
大きなどんぶりの中に、ホタテ、イカ、つぶ、エビ、ワカメ、鮭などが入っています。鮭は古平町で水揚げされたものだそうで、地産地消にもこだわっています。
スッキリとしたスープに魚介の味が交わり、最後の一滴まで飲み干してしまう美味しさ。それでいてしょっぱさを感じさせません。
2000年初めに、テレビ番組の撮影で銭函を訪れていたお笑いコンビ『ペナルティ』のワッキーさんが来店。その様子が放送されると、開店前から行列ができる評判店になったそうです。
そのあともいくつかテレビの取材を受けましたが、夫婦2人で切り盛りしているため対応が困難なことや、売り切れによるクレームなどがあり、現在は全国的なメディアの取材は断っているそうです。
水野さんが大病を患ったことから、現在、ランチ営業は火曜・金曜の11~13時までのみ。『海賊ラーメン』は一日15食限定です。
夜はおなじみさんたちで賑わう
居酒屋は、通常通り17時30分から営業しています。
開店当時の銭函は、夏に海水浴客が訪れる以外は人が少なく、商圏として難しい場所でした。札幌や小樽市街地への移転も検討したそうですが、次第に札幌や小樽への通勤圏として街が発展し、お客さんの数も増え始めました。
現在は常連客が7割を占め、コロナ禍でも大きな影響を受けずに済んだそうです。
「お客さんに支えられて銭函に踏みとどまりました」と水野さんはいいます。
退職後も歴代の銭函駅の駅長さんが店に顔を出したり、下宿の住人だった元学生との交流が続いていたりして、そのつながりで馬刺しや赤鶏のたたきなどを仕入れて、お客さんを楽しませています。
「お酒を飲むのは好きだが、酔っ払いはキライ」といい、泥酔したお客さんが長居しないよう21時には店を閉めるそうです。
銭函に住んでいる人はもちろん、銭函を離れた人にとっても、「海賊船」は安らぎを与えてくれる場所であることが伝わってきました。銭函駅から徒歩1分の立地の良さから都会の繁華街にはない雰囲気を求めて、札幌や小樽市街地からもお客さんが訪れています。
日曜が定休日ですが、水野さんご夫婦の体調によってお休みする場合もあります。訪れる際は営業の有無を確認してから足を運んでください。
<店舗情報>
■海賊船
■住所:北海道小樽市銭函2丁目2-4
■電話番号:0134-62-7655
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